お天気は雨。
和歌山の旅の記憶を辿りながら俳句を詠んだりしております。
それでは和歌山の旅の様子を更新します。
和歌山の旅 1日目高野山(2022年4月18日)
早朝4時に家を出発して高速を走り、徳島港へ。
南海フェリーで和歌山に向かい、昼前には高野山に到着しました。
高野山は約1200年前に弘法大師によって開かれた真言密教の聖地です。
お遍路を結願した人の多くは、今も弘法大師空海がおられるという、高野山奥の院へ参拝するのがならわしとなっています。
高野山は標高900mの盆地にあり、117の寺院があり、うち52の寺院が宿坊となっています。
まずは奥の院に向かいます。
一の橋の手前の駐車場(有料でした)に車を置き、参道を歩きます。
一の橋
一の橋から奥の院までは約2kmあり、三つの橋があるのですが、二つ目の中の橋には広い無料駐車場があるので、車の方はそちらへ置いて行かれるのもいいかもしれませんが、正式な参拝は一の橋からとされているようです。
参道の両脇には杉の巨木が立ち並び、その間に信長、秀吉、光秀等の武将や大名、有名な方々の墓碑が並んでいます。
松山の松平久松家の墓所もありました。
中の橋
中の橋を渡り、さらに参道を進み、最後の橋である御廟橋の手前にあるのが御供所です。
四国遍路での御朱印を戴ける場所は、奥の院の御供所となっています。
御供所の納経所
そして最後の橋、御廟橋です。
橋の手前で一礼し、脱帽して橋を渡ります。
御廟橋
ここからは撮影禁止です。
さあ、燈籠堂で参拝をしましょう。
蝋燭を灯し、お線香を供え、お札を納め、お賽銭を入れて礼拝しました。
「コロナ禍ゆえ声を出しての読経はご遠慮ください」という張り紙があったので、お遍路の時のような長い読経はせず、口の中で「南無大師遍照金剛」と三度小さく唱えました。
そして燈籠堂を時計回りに進み、地下にある「地下法場」へ向かいます。
地下法場の壁一つ隔てた奥には弘法大師御廟があり、お大師様が居られて、一日に二度、お食事も運ばれています。
ところが、ここ地下法場もコロナ禍の為か立ち入り禁止となっていたのです。
これは唯一本当に残念でした。
少しでもお大師様のお側に行きたかったのに。
仕方なく、地下へ降りる階段の扉の前で合掌。
お大師様、四国遍路を無事結願致しました。
長い歩きの道中には苦しい事も楽しい事もありましたが、その体験によって心を鍛えて頂き、成長する事ができたように思います。
そして、いつもいつも見守って頂き、ありがとうございました。
参拝を終え御廟橋を渡り、四国遍路の納経所である御供所へ。
御供所
ついに満願納経です。
美しい女性の方から御朱印を戴きました。
四国遍路の労いの言葉をかけて下さって嬉しかったです。
ありがとうございました。
なんて見事な筆文字でしょう。
奥の院彩色御姿
奥の院の参拝を終えたらこの旅の目的はほぼ達成です。
あとはゆっくり和歌山を楽しむとしましょう♪
次は金剛峯寺に向かいます。
金剛峯寺の前には広い無料駐車場があります。
駐車場から横断歩道を渡ると金剛峯寺の正門があるのですが、なんと正門前では満開の枝垂れ桜が迎えてくれたのです!
金剛峯寺正門前
これは嬉しい驚きでした。
標高の高い高野山はまだ花時だったのです。
桜が待っていてくれました♪
金剛峯寺は高野山弘法大師御廟を信仰の中心として結成された、高野山真言宗三千六百ヶ寺の総本山です。
檜皮葺の屋根を守る為に、屋根の上には「天水桶」が置かれています。
立体的な龍が迫力あり!
金剛峯寺の中は拝観する事ができます。
高野山宿坊教会中央案内所で、主だった寺院や施設を拝観できる諸堂共通内拝券(2500円)を購入すると少しお得になっています。
高野山宿坊案内所は色々と情報を教えて頂けるので、まず訪ねてみると良いと思います。
共通内拝券では金剛峯寺、大師教会での授戒、大塔、金堂、徳川家霊台の五カ所を巡る事ができます。
金剛峯寺の中の拝観ルートは古い襖絵が全て撮影禁止となっています。
群鶴や松や季節の花等、美しい襖絵が沢山ありました。
回廊
蟠龍庭
石庭の中に雌雄の龍が向かい合い、奥殿を守っているように表現されているそうです。
書院の天井の花の彫刻
千住博の襖絵は撮影可でした。
断崖図
滝図
台所
金剛峯寺は、秀吉拝領の青厳寺の寺紋である「五三の桐」(左)と高野山の鎮守、丹生都比売神社の定紋である「三頭右巴」(右)の二つの寺紋があるそうです。
金剛峯寺を後にして次は壇上伽藍へ。
金剛峯寺から壇上伽藍へは500mほどの距離なので、そのまま歩いても割と近かったです。
壇上伽藍の入り口には中門、境内には金堂と根本大塔等があります。
中門
高野山の中門は焼失していたのですが、2015年の高野山開創1200年記念大法会を記念して再建されました。
中門には四天王像があるのですが、そのうちの持国天と多聞天は運慶作で、焼失時に運び出され、保管されていたものが修復されています。
運慶作の持国天
運慶作の多聞天
後のニ体の広目天と増長天は2015年、中門の再建時に仏師の松本明慶によって新造されました。
松本明慶作の広目天
広目天の胸には蝉!
蝉の鳴き声から気迫を感じてもらう為だそうです。
松本明慶作の増長天
増長天の胸には蜻蛉!
悪を許さず飛ぼうという姿を表現しているそうです。
金堂
金堂は開創当時は講堂と呼ばれていたそうです。
現在の建物は七度目の再建となるコンクリート構造で、昭和7年に完成しました。
内部の壁画は木村武山の「釈迦成道驚覚開示の図」「八供養菩薩」があります。
根本大塔
弘法大師、真然大徳と二代を費やして完成し、真言密教の根本道場におけるシンボルとして建立されました。
本尊の胎蔵大日如来の周りを四仏が取り囲み、十六本の柱には十六大菩薩、四隅の壁には密教を伝えた八祖が描かれ、堂内そのものが巨大な曼荼羅として構成されていてとても煌びやかでした。
金堂、大塔共に拝観はできますが、内部は撮影禁止となっています。
高野山の夜は宿坊に泊まりました。
予約していたのは壇上伽藍のすぐ近くにある西禅院。
お部屋は3月に完成したばかりの新書院貴賓室です。
新しい木の香りがしました。
宿坊とは思えないような素敵なお部屋です。
窓からは重森三玲作の石庭が見えます。
苔に立つ石は、雲海の中にに立つ山嶺を表しているのだとか。
この石庭の見える西禅院の茶室(右端の部屋)は、松下幸之助が好んで滞在し、庭に立つ燈籠を寄贈したそうです。
精進料理の夕食
ごま豆腐に生麩にお野菜の天ぷらやお鍋。
大好きなものばかりで、とても美味しく戴きました。
夕食後はライトアップしてある壇上伽藍へ夜のお散歩に。
中門
夜の四天王は陰影が濃くて迫力がありました。
根本大塔
鐘楼と根本大塔
美しく幽玄でミステリアスな夜の壇上伽藍でした。
和歌山の旅1日目はこれでおしまい。
またまた長い記事を読んで頂き、ありがとうございます。
薄荷飴の貝の形や月朧 さち
はっかあめのかいのかたちやつきおぼろ