つれづれなるさっちII

俳人 井上さちの日々 第一句集「巴里は未だ」(文學の森)

和歌山の旅2日目 高野山から熊野へ♪

 

 

 

 

 

お天気は晴れ。

みかんの花が咲き始めました。

街中がみかんの香りに包まれる、気持ちのいい季節がやってきました。

しばらくお天気が続きそうなので、旦那くんが育ててくれた玉ねぎを掘り上げました。

去年よりは少し大きくて嬉しい。

数日乾かしてから吊るそうと思います。

 

 

それでは和歌山の旅、2日目を更新します。

 

和歌山の旅2日目 高野山から熊野へ

宿坊の朝は勤行(おつとめ)から始まります。

宿泊客の皆さんと一緒に6時半に本堂に集合し、御住職の読経と法話がありました。

真言宗の読経は普段聞き慣れたものではなかったので(我が家は浄土宗)、音の上げ下げが歌のようでもあり、中々新鮮に感じました。

その際、皆さんで焼香をしたのですが、それぞれ1回から2回、3回と、回数が違っていたのです。

ちなみに私は1回。

参加者が大勢おられたので、早く済ませた方が良いかな、と思ったのです。

ところが御住職からは真言宗ではお焼香は3回するのが正式なのです、というお話でした。

それならお焼香の前に教えて下さったらよかったのに。。(笑)

いやいや勉強になりました。

でも、それも宗派によって様々のようですね。

 

そんなこんなの勤行の間、ずっと本堂には美しい小鳥の囀りが響いていたのです。

それもとても大きく、まるで本堂の天井で鳴いているように。

本堂を出る時に、お坊さんにその事を尋ねると

「音声では無く本物の鳥の声です。」

と教えてくださいました。

後で境内の木々を見てみると、一瞬小鳥の姿が見えたのですが、小鳥の名前まではわかりませんでした。

さえずりの中の勤行は心に残るものでした。

 

その後皆でお座敷に移動して、朝食。

がんもどきがふっくらジューシー。

美味しく戴きました。

こんな昔ながらの御膳で戴くのも、宿坊ならではの得難い経験でした。

 

西禅院、お世話になりました。

ここに泊まれてよかったです。

 

その後は共通券に含まれている「徳川家霊台」へ。

西禅院から金剛峯寺の駐車場へ車を移動させて、そこから歩いて10分くらいの場所です。

道中の桜が綺麗でした。

 

徳川家霊台の手前には波切不動尊があります。

 

ここは堂宇の屋根の庇の下に龍の天井画があるので、ちょっと立ち寄らせてもらいました。

なんてダイナミックなんでしょう。

 

そして徳川家霊台へ。

 

徳川家霊台は、三代将軍家光高大檀主となって創建されました。

左が秀忠霊屋で、右が家康霊屋です。

 

秀忠霊屋

 

家康霊屋

彫刻や飾金具等には細部に渡って技法がこらした装飾があり、見事な建築美です。

 

 

次は大師教会へ。

ここでは「受戒」という体験ができるのです。

これも共通券に含まれています。

受戒というのは仏様の示された戒めの教えを、暗い堂宇の中で、阿闍梨様から直接授かるという儀式です。

たまたまその時の参加者は私達二名だけだったのですが、丁寧に接して頂きました。

共に読経をしたり、阿闍梨御自身の体験も交えつつ、親から子への無償の愛の尊さについてのお話もして頂きました。

とてもありがたいひとときでした。

 

 

高野山の最後は金剛三昧院へ。

ここはガイドブックで宿坊を調べていた時に、泊まってみたいと思っていた寺院なのですが、残念ながら宿泊したい日にはお部屋の空きがありませんでした

金剛三昧院は、尼将軍北条政子が夫である源頼朝の菩提を弔う為に建立しました。

ご本尊の愛染明王は頼朝公の等身大で造られているのだそうです。

頼朝は今年の大河の主要人物でもありますし、愛染明王はわが地区の守り神でもあります。

ぜひ頼朝と同じ大きさの愛染様を見てみたかったのです。

わが地区の集会所には愛染様の古い像があって、若い男性が愛染様に供えたお酒を戴くと良縁に恵まれると言われています。

旦那くんもご利益があったんですね(笑)

金剛三昧院山門

 

格調高し。

 

金剛三昧院

この建物が本堂で正面の扉にガラス窓があり、その奥に愛染明王が安置してあります。

この前からガラス越しに愛染明王を見る事ができるのですが、少し距離もあり、あまりはっきりとは見えませんでした。

それでも愛染様の割には黒々としていて、さすがは頼朝という風格を感じました。

本堂の左手にあるのは石楠花です。

五月初旬には見事なお花が見られるそうですよ。

この時はまだこのくらいの蕾でした。

高野山の春は遅いのですね。

高野山は見どころの多い、歴史ある宗教都市でした。

ここでの体験のひとつひとつがとてもありがたかったです。

 

 

昼前に高野山を出発し、この後は熊野へ向かいました。

我が地区の小さなお社の名も「熊野神社」なので、その流れを汲んでいるのかもしれません。

この日参拝したのは二社。

まずは熊野本宮大社へ。

境内の中は撮影禁止なので、門の前で撮った写真です。

熊野本宮は日本全国熊野神社の総本山です。

檜皮葺の社殿からは落ち着きと重厚さを感じました。

元は熊野川の中洲にあったのですが、明治22年の洪水の被害に遭い、流失を逃れた上四社三棟が現在地に移築再建されたそうです。

八咫烏の幟がかっこいいですね。

 

 

そして熊野速玉大社へ。

熊野本宮から約40キロ熊野川を下った場所にあります。

神倉山南端のコトビキ岩に君臨した熊野権現を歓進する為にこの地に社殿が造営されたました。

それ以来神倉山の本宮に対し、ここを新宮と読んだそうです。

朱色の社殿は気品があり、鮮やかで美しかったです。

この二社は境内が撮影禁止なので、門の前での写真のみでした。

 

 

この日のお宿は那智勝浦町の「ホテル浦島」

広い駐車場に車を置くと、マイクロバスが常時ホテルまで送迎してくれます。

希望者は途中にある桟橋から亀の船に乗ってホテルに行く事ができます。

一緒にバスに乗っていた人は皆亀の船希望でした(笑)

 

まるで竜宮城に行くような気分です♪

「ホテル浦島」の敷地は東京ドーム四個分もあり、宿泊施設も、本館、日昇館、なぎさ館、山上館と4つの建物が通路で結ばれています。

私達が宿泊したのは日昇館で、東向きのお部屋です。

窓からの景色は絶景でした。

ホテル浦島は歴史のあるお宿で、施設は古いですが、温泉が素晴らしいのです。

普通の大浴場二ヶ所の他にも、「忘帰洞」「玄武洞」という、海に面した巨大な洞窟のような露天風呂があるのです。

早速温泉巡りを楽しみました。

洞窟の中はまるで探検のようで、こんな面白い温泉は初めてでした。

温泉に一緒に入っていたお婆さんが、「54年前に社員旅行で来たのよ〜。」と言っておられて、いかに昔からこの温泉が愛されているかを知りました。

夕食のバイキングも海鮮が豊富で大満足でした!

那智勝浦はマグロの水揚げ日本一だそうです。

和歌山旅の二日目はこれでおしまい。

いつも見に来て下さってありがとうございます♪

 

 

 

 

蜜柑咲き初むピッコロ鳴るように  さち

 

みかんさきそむぴっころなるように