お天気は晴れのち曇り。
新盆のもろもろの行事も一段落して、平常な日々へ。
御霊供膳も約半月作り続けました。
さあ、今日はみかんの摘果です。
帰省していたHも大阪へ戻って行きました。
Hの帰省中には愛媛新聞の方が取材で我が家を訪れて下さいました。
子供の頃の事から、サクソフォンとの出会い、学生時代、留学時代、更に現在に至るまで、深くインタビューして頂き、とても有り難かったです。
記事は9月に掲載して頂けるそうです。
どんな記事になるのか今からとても楽しみです。
先日市長さんを表敬訪問した時の事を、8月16日の八幡浜新聞で取り上げて下さっていました。
我が家は八幡浜新聞を取っていなかったので、お姉さんが届けてくれました。
歴史ある地元紙なのでいい宣伝になりそうです。
また今月号の「広報やわたはま」にもリサイタルの告知をして下さっていて、こちらも大変ありがたい事でした。
現代音楽が得意分野のHですが、今回のプログラムは耳慣れた曲や、聴きやすくて美しい曲を集めているそうですので、一般の皆様にもきっと楽しんで頂けると思います。
皆様のご来場を心よりお持ち致しております♪
ここ最近、3冊の句集をご恵送頂きました。
ありがとうございます。
鷲巣正徳 句集「ダ・ヴィンチの翼」
鷲巣さんは埼玉県在住の「街」同人のお方です。
私が初めて「街」の東京句会に出席した時に、蒲田の駅まで迎えに来て下さったのを思い出します。
鷲巣さんの温かいお心遣いに、方向音痴の私は大変助かったのでした。
その優しく気さくな性格で「街」の皆さんに親しまれている鷲巣さんです。
「今」を生きる鷲巣さんは「生の刻印」を刻む俳句をめざし、その俳句に支えられて「今」を生きておられるそうです。
夏の牛ゆっくりと噛む泡の白
星月夜どしやと子牛の産まれたる
小春日の戸の破れ間より牛の舌
牛の擦る柱艶艶蔦紅葉
肉牛を見送っている卒業生
牛の頭のかくまで硬し青嵐
ひかり野へ我を連れ行け春の蝶
今生の全て受け入れ薄紅葉
繋がるるも闘ひ生きむ冬銀河
ダ・ヴィンチの翼を漕いで行く銀河
動物を詠んだ句がとても多いこの句集の中でも際立っているのが牛の句。
牛を詠むのが長けた俳人を他にも知っていますが、鷲巣さんも堂々たる牛俳人の一人です。
牛のくらしの何気ない瞬間を切り取りつつも、そこには畏怖にも似た牛への愛情が滲んでいます。
生の刻印を刻む俳句を、ダ・ヴィンチの翼で漕ぐ銀河を、これからも見せて下さい。
山田富士夫 第二句集「麦藁帽」
山田さんも「街」同人のお方。
軍国教育の中で多感な時代を過ごされたそうです。
戦争を語れる最後の世代の一員として第二句集をご上梓されたとか。
次世代に語り継ぎたい一冊です。
牛蒡剣吊り十五歳夏終わる
補充兵に水筒竹筒雲の峰
凩や卒の軍足踵なし
枯野遥かに砲兵の軽気球
撃墜機の防弾ガラス檸檬の香
冬深し黒一色のオノ・ヨーコ
読谷の青き魚の賀状来る
タクシーに「ピアフ」流るる春の暮
お蚕や最終回の同窓会
鈴木牛後 句集「にれかめる」
北海道の酪農家である牛後さんは、昨年「第64回角川俳句賞」を受賞されました。
2012年に「第1回大人のための句集を作ろうコンテスト」の最優秀賞を受賞された時に松山にお越しになり、表彰式とその後のいつき組の大花見大会でお目にかかった事があります。
お花見の茣蓙の上で、釈迦入滅のように寝ていらっしゃった牛後さんを思い出します(笑)
タイトルの「にれかめる」は牛や山羊などが反芻するという意味で、とても古い言葉だそうです。
句集の帯を食い破って出て来そうな表紙の牛の仕掛けも楽しい。
獣声のけおんと一つ夏果つる
春動くるろるるろると牛の舌
永き日やばふうと深き牛の息
蝉時雨ざんざんと牛水を飲む
餌を食う音わんわんと雪の牛舎
牛が飲む水をクローバまはるまはる
掻き混ぜし棒を燃やして焚火閉づ
牛死せり片眼は蒲公英に触れて
ながむしのちつちちつちと舌の赤
紅葉かつ散りぬぎゆるんと牛の胞衣
「けおん」「るろるるろる」「ばふう」「ざんざん」「ちつちちつち」「ぬぎゆるん」という珠玉なオノマトペの数々に圧倒されます。
このようなオリジナリティーのあるオノマトペを作れる人はなかなかいません。
これらのオノマトペからは、音だけでなく、映像や触感、更にはその匂いまで伝わってくるようではありませんか。
私も大いに刺激を戴いた一冊でした。
天の川塒はケバブ屋の二階 さち
あまのがわねぐらはけばぶやのにかい