つれづれなるさっちII

俳人 井上さちの日々 第一句集「巴里は未だ」(文學の森)

マーキング1号はKMT&東大寺狂言♪

 

 

 



 

お天気は晴れ。

まだ極早生みかんの収穫が続いています。

あと1、2日でしょうか。

頑張ろう!

 

 

 

昼頃アサギマダラ20頭飛来。

そして、昨日はマーキング1号発見。

発見者はみかん摘みのお手伝いに来てくれている、旦那くんのお兄さんです。

手でそっと捕まえたというからお見事でした。

KMT 10/1  AKi367

標識を検索してみると、この蝶は神戸市(K) 摩耶山(M) 天上寺(T)から飛んできたようです。

神戸からの飛来は初めてです。

ようこそ我が家へ。

標識者の方へ

コメントを頂ければ詳細をお知らせしますのでお気軽にどうぞ♪

 

 

 

 

 

10月16日は東大寺狂言を観に奈良へ行って来ました。

東大寺では10月14日から16日までの三日間、東大寺を開山した良弁僧正の1250年の御遠忌法要という事で、様々な行事が開催されていたようです。

その最後を彩ったのが野村万作、萬斎、裕基の狂言三代による東大寺狂言でした。

 

開演前

 


木六駄

まずは万作(太郎冠者役)の「木六駄(きろくだ)」
太郎冠者(万作)は主人から、酒や炭や木の大荷物を積んだ牛十二頭を、山一つ越えた伯父の元へ届けよと命じられます。

降りしきる雪の中、太郎冠者は大変な苦労をしながら牛を連れて進むのですが、道中立ち寄った茶屋で酒が切れていた事から、なんと自分の運んでいた荷物の酒に手をつけてしまいます。

そのまま茶屋の主(萬斎)と飲み交わすうちに、ついに酒は空っぽに(笑)

酔っぱらっていく二人の様子がなんとも愉快。

酒を注ぐ時は「どぶどぶ」

なみなみと注がれた酒の様子は「あるある」

「どぶどぶ」「あるある」「どぶどぶ」「あるある」というオノマトペのかけあいが楽しかったです。

人間って愛らしいなあとも感じました。

また、雪の中牛を追って進む様子を、舞台に牛は居なくても、追竹の動きだけで十二頭の牛の姿を見せる、万作の神のような芸に感銘を受けました。

万作は御歳92歳。

人間国宝です。

声を張り、体を動かし、笑いの世界へ皆を引き込む、至芸の極地を見せてもらったような気がします。

 

 

次は萬斎の息子裕基(山伏役)による「茸(くさびら)」

屋敷の中に茸が生えて困っているという男に茸退治を頼まれた山伏です。

ところが祈祷をすればするほど、どんどん茸は増えていくばかり(笑)

カラフルで可愛い茸が次々に増えて動き回るのがとてもかわいらしいのですが、ついには不気味な茸も現れてさあ大変!

狂言なのに何故かポップ♪

奥深く面白かったです。

脈々と受け継がれたる芸の血筋。

野村一門、磐石です。

 

 

ボレロ

最後は萬斎様の「ボレロ

ラヴェルボレロの曲に合わせて、萬斎様が三番叟からヒントを得て生まれた珠玉の独舞です。

2011年に世田谷パブリックシアターで初演して以来、各地で好評を博しています。

パブリックシアター20周年の時のボレロがこちらです↓


www.youtube.com

今回のボレロは「ザシンフォニックオーケストラ」との共演なのですが、オーケストラにはサクソフォンがいないので、娘Hにお声をかけて頂いたようです。

オーケストラの中の一員とはいえ、またとない萬斎様とHとの共演です。

農繁期ではありますが、家族の了解を得て、ありがたく出かける事ができました。

それにロッピーで取ったチケットが、なんと中央の前から三列目というとてもいい席だったのです。

ラッキーでした。

Hの顔もよく見えたので、メロディーのソロを吹いている時もわかり、その音をはっきりと聞く事ができました。

とても美しい音でした。

そんなHの演奏で 萬斎様が華麗に舞っておられる。。

その様子を目に焼き付けていると、もう感動で胸が一杯になって泣きそうでした。

曲はラストに向かってどんどん巨大なうねりとなって盛り上がり、最後は萬斎様が後ろを向いてジャンプした直後に暗転して消えるという劇的な演出で、観客からの大拍手はなかなか止みませんでした。

素晴らしかった。。

 

東大寺狂言を堪能した最高の夜でした。

時折、ぴーうと鹿の声が響いてくるのも東大寺ならではの音の借景でありました。

大仏様も楽しまれた事でしょう。

 

Hがサクソフォン奏者として頑張っているおかげで、私も奈良まで来る事ができました。

今年は大阪、京都、東京、奈良と、4度もHの演奏を聞く旅を楽しみました。

何よりの親孝行です。

ありがとう。

 

終演後 




 

 

寛解の夫や秋茄子には焼け目  さち

 

かんかいのつまやあきなすにはやけ